2014年5月11日

TV番組「ワンダフルライフ」で天皇の心臓手術の執刀医で知られるようになった医師天野篤教授を取上げていた。

番組の中で本人が「父親」について語った場面で紹介していた「年を重ねただけで人
は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる」という言葉が心に残った。
本人の医師としての原点ともなり父の手術に立ち会い亡くした後で父の手帳の中に見つけた言葉として・・・。

巷ではアンチエイジングなどがメディアを賑わしているが、老いということを心身両面から捉えなければ・・・ということだろう。

長くなるがその「青春」という詩の全文(原作 サミエル・ウルマン 邦訳 岡田 義夫)を転載する。

青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相をいうのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(きょうだ)を却(しりぞ)ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こういう様相を青春と言うのだ。

年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、孤疑(こぎ)や、不安、恐怖、失望、
こう言うものこそ恰(あたか)も長年月の如く人を老いさせ、
精気ある魂をも芥(あくた)に帰せしめてしまう。

年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
いわく
「驚異への愛慕心」、「空にきらめく星辰(せいしん)」、「その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰(きんぎょう)」、「事に処する剛毅な挑戦」、「小児の如く求めてやまぬ探求心、人生への歓喜と興味」。

人は信念と共に若く、疑惑と共に老ゆる。
人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる。
希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、 そして偉大の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え。悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽(おお)いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば、この時にこそ人は全くに老いて、神の憐れみを乞うるほかはなくなる。