2025年10月9日

7月5日の弊閑話提供で「NHK(総合)TVドラマ「舟を編む」について」というタイトルでTVドラマへの感想を次のように記しました。
・・・久し振りに面白いTVドラマを録画して見ています。自分が短歌を
嗜むことで言葉に関心があるからだろうか、それでも「舟を編む」と
いうタイトルも言い得て妙、内容も面白いと思います。
持論ですが、プロデューサー、脚本(原作も)、次いで演出、そして
演じる俳優という順番で、それぞれがどれだけ力量を発揮するかにより
そのドラマの出来、不出来が決まると言っても過言ではないと思います。・・・

その時に知った情報から原作本があることを知り、文庫本を購入して読んでみました。その読後感を以下に列記します。

①TVドラマではその中身まで触れていなかった「馬締の恋文」が巻末に西岡と岸辺のコメント付きで全文記されており、作品の構成としても面白い。また、岩波書店の辞典編集部の平木氏の解説も添えられ、原作の発刊にいたる経緯も紹介されている。

②TVドラマは良きにつけ悪しきにつけ時間の制約や脚本家(蛭田直美)の考えなどで削除・選択・強調がなされることは当たり前と言えるが、原作を読んでみると原作本とTVドラマとの差異がよく見えてくる。

③映画やTVアニメも制作されているようで、それらは不案内だがTVなどでの映画の放送があれば見て原作との違いを確認したい。

④原作は2012年の本屋大賞第1位受賞の作品であり、単行本は2011年に光文社より出版されている。14年前と言えば自身は何をしていたのだろうと考えたところ。ちょうど短歌を嗜み始めたのが2010年なので、言葉や語彙への関心が強まる頃であり、短歌を詠むための五七語辞典(三省堂刊)を購入した頃と符合している。

しかし、この「舟を編む」の出版には気付かなかった。気付いていれば映画も見ていたかもしれない。
いや、この頃は気持ちに余裕がなかったのかもしれない。