2012年1月16日

昨年の佐賀県の原発の運転再開(福島原発事故後では初めて)の記事が出た頃から考えたことの一つに次のようなことがある。
アンテナの高さと感度が低いからか類似した意見を見聞きする機会が少ないことやその実現のためのしくみ、シナリオには法律・制度を含めた様々なハードルがあるので難しいという声が聞こえてきそうだが・・・。

■ 原発の設置・誘致や再稼動の最終判断は、いまや一つの
地方自治体(市町村を含む)やその首長に委ねることは
出来ない(してはならない)状況に至っているのではないか ■

このことは3.11の原発事故の大きな教訓であり、その理由としては次のようなことがあげられる。
*一端事故が起こるとその影響はまだ未知の部分も多いが、県境を越え海を越え、日本 に止まらないばかりか私たちのささやかな日々の生活に多くの懸念材料を長年にわた って植えつけることになった。
*それは唯一の被爆国としての長く重たい歴史が物語っている。
*原発は「功罪諸刃の剣」にもかかわらず功のみが喧伝されてきた。
*被災地の放射線を含む土壌、ガレキ処理については次のような課題を残したままであ る。
・除線作業の進捗を妨げる土壌の中間保管場所の不足と最終処分場の確保の見通しが  立たない
・ガレキの全国都道府県・市町村による広域受入れ、処理については住民の反対によ  りほとんど進んでいない。
*最近では二本松の新築マンションからの高線量が検出され、1階住民に転居を勧めて いるという記事発表。
発生源はコンクリートに使われた放射線量での出荷制限がない砕石という記事で、管 理・追跡対象が建築資材まで広がっている。
*このことは昨年で話題とした稲藁等の汚染に起因する牛肉汚染に類似する問題と言え る。この時は「危機管理」という視点から取上げたが今回もまた、担当者から「想定 外」という発言がなされたようで危機意識の欠如!本当に悲しくもなる。
国、行政はもぐらたたきとも言える問題事象の対応に追われるこの現状からいつにな ったら脱却できるのだろうか?
私達はその放射線の影響が及ぶ管理・追跡対象をどこまで広げたら良いか、どのよう
に実施するかを検討するだけでも気が遠くなる。
*因みに、原発稼動という話題として10日の地方紙に「原発 住民投票請求へ」という
記事が出ている(全国紙にはそれ以前にも出ているのかもしれないが・・・)。