2012年5月20日

3.11以降の原子力安全委員会、保安院、東電の関係性の問題を指摘する記事は地方紙でもその頻度と取上げられ方が次第に小さくなりつつある昨今であるが気になる記事から要旨とコメントを挙げてみたい。

①安全委員会が1992年に全電源喪失の対策を検討していた作業部会が、長時間の喪失に対する対策は不要とする根拠を電力会社に「作文」するよう指示していた。
このことにより結果的に全電源喪失の対策が取られなかった。

⇒安全委員会と電力会社の馴れ合いが当初から継続していたということ。一体その責任を誰が取るのか。
“せめて”当時の安全委員会委員長は、保安院の責任者は誰か、監督すべき経産省(当時は通産省?)大臣は誰かという情報までを掲載しないと単なる追認の報告記事で終わる。

②東電が安全委員会委・保安院から2006年10月に福島第1原発の津波対策を取る ように指摘を受けながら対策を取らなかったことが昨年12月の社内中間報告で言及しなかった。また、東電と保安院の2006年の勉強会で、想定外の津波に襲われた場合、全電源を喪失する恐れがあるとの認識を共有していたことが判明・・・。

⇒挙げればきりが無く、このような国と業界の馴れ合い体質は昔からいっこうに変わらない。
やはり、①のコメント同様にメディアはせめて関係者の部署、名前まで公表すべきと思う。