2012年4月30日

①糸井重里氏:<被災地を支援 「稼ぐ仕組み」作って渡す>
②佐藤賢一氏:<原発の無い幸運 「特権」を前面に地域戦略>

共に昨年の震災、原発事故後の遅々として進まない復旧・復興に対する著名人としての新たな視点からの提案と具体的な行動事例である。

①から思うこと:
・氏が主宰するインターネット上の「ほぼ日刊イトイ新聞」というのがある。
私もたまにアクセスする程度・・・ http://www.1101.com/home.html
・震災を契機に気仙沼市に支社を開設して被災者の起業支援に着手している。
http://www.1101.com/pl/kesennuma/index.html?id=95034
・この番組でも度々取上げているCB/SB支援の領域であり、この案組みがスタートするきっかけなので興味深い。
・CB/SB支援という考えでは「雇用」につながる訳だから、今は下火になっているが長期的考えに立って行政の支援が“今こそ”必要!
・企業に対する支援施策は行政内や外部機関(商工会議所、商工会、公社など)に組織的支援機能が出来ているが、「起業」しようとする者に対する「組織的・恒常的支援機能」はいまだに出来ていない!!

②から思うこと:
・誰もが口にし難い?「原発がない幸運」とは言いえて妙!
・一般的にあるものが「無い」ことを売りにするという逆発想の手法はビジネスの世界でもよく使われる。
・最近の地元TVのふるさとCM大賞で言いえて妙!と感じたキャッチに「なにもない がある」と同じ。他にも 喧騒がない、車が少ない、・・・。
・やはり総論賛成、各論・・・具体化につなげられないと・・・という印象。その意味で①の糸井重里の取組みが貴重!
・原発を受け入れた地方自治体が受けた「恩恵」はどのような考え方に整理出来るか考えさせられる。
・平川克美氏が「小商いのすすめ」で次のように書いている。
日本に置ける誘致、建設は「現在得られるエネルギーという富のために、事故の危険や廃棄物処理というコストを先送りするというスキームの上に行われた・・・かつてカード社会の到来時によく言われた、プレイナウ、ペイアフターという思想が国家レベルで凝縮したのが、原子力発電所の建設である・・・将来起こりうるかもしれない危険というコスト、廃棄物処理という負担のコストを、原発立地の地元に対して前もって支払う迷惑料というコストに科目を換えた」と。
これも言いえて妙で喉の痞えが取れた感がする。
・しかし、一度事故が起こるとその被害は一つの自治体に止まらないことが証明された今、上記のような立地のスキームは完全に崩れたことになる。