2012年6月22日

エコへの取組みのTV番組でLED照明器具採用例として電照菊(*1)のハウス
への応用を紹介していた。
電力を使わない照明器具の紹介という取組みはそれとしては良いのだがこの電照菊の
事例から私たちは何を学ぶべきだろうかと考えてしまう。

つまり、エコという考え方の対象をこのような自然や季節から外れた食物の食べ方を
している「生活のありよう」にまで広げることも重要であるのではないだろうか・・・と。
食と文化という視点に立てば自然との共存の中での【旬】というものを大切にしたいものだ。

*1:電照菊とは(ウィキペディアより)
・菊は、日照時間が短くなると花芽を形成し、やがて蕾となり開花するという性質
がある。その性質を利用し、花芽が形成される前に人工的に光をあてることに
より、花芽の形成と開花時期を遅らせる方法が電照菊である。
・使用する菊は秋に開花する「秋菊」を使用することが多い。
・ビニールハウスを使用し、秋菊が花芽を形成する前の5~8月頃の夜間(午後10
時~翌日午前2時が多い)に電球などを用いた照明を菊にあてて、花芽を形成
させないようにする。9月以降は照明をあてずに、通常と同じ栽培を行なう。
これにより開花時期を数ヶ月遅らせ、1月~3月に開花、出荷する。
・最近では技術の向上によって、秋菊のみでなく夏菊もこの方法で栽培されてお
り、開花時期を9ヶ月までずらすことが可能である。また、ビニールハウスで
覆うことで太陽光を遮る方法も併用することで、様々な菊を様々な時期に開花
、出荷を可能としている。
・照明は白熱電球が主流であったが、電照菊専用の電灯も開発され、現在はこちら
が主流である。近年は省エネルギー、地球温暖化防止の観点から、省電力の
照明が開発・実用化されている。例えば、蛍光灯、発光ダイオードなども使わ
れている。

また、以前にも主宰するコミュニティFM放送の番組で車のグリーン化税制を話題に
して、「車を長年乗ると重税が来る」という論点でエコの本質について話題にしたことがある。
そのポイントは次のようなものだった。
・モノを大切にすることと新しいモノに換えるのとではどちらがよりエコ?
・本質で考えないと制度の矛盾はいろいろ出てくる
・「ライフサイクルアセスメント(LCA)*2」の視点が必要

つまり、長年使った車と環境に優しい新車の比較は現時点での比較ですることは
「片手落ち」ということ。「長年使った車のこれまでの環境負荷のデータ+これから
乗っていく場合の環境負荷」vs「新車の製造に要した環境負荷+これから乗っていく
場合の環境負荷」という比較で論じるべき。
ましてや、新車の減税に必要な原資を物(車)を大切にする人に転化するのは本末
転倒と言える。

*2:LCA(ASAHIネットから)
事業者は製造から廃棄・リサイクルまで一連のライフサイクルの過程を通じて、
より 環境負荷の少ない製品やサービスを提供することが求められている。また、
消費も、より環境への負荷が少ない製品を選択しようとする意識が定着してきて
いる。こうした動きを支援していくのに有効なツールとなるものにライフサイクル
アセスメント(L CA)といわれるものがある。
LCAとは、その製品に関る資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送などすべての
段階を通して、投入資源あるいは排出環境負荷及びそれらによる地球や生態系へ
の環境影 響を定量的、客観的に評価する手法である。
LCAを用いることにより、
事業者は、例えば
製品の製造から廃棄、・リサイクルに至る製品寿命全体をとらえつつ商品設計を
行うことが可能となりどの段階での環境負荷が発生しているかを客観的に認識
できるよう になるので、効果的に環境負荷を削減できる。
また、
・製品のライフサイクル全体を考慮した最適化設計が可能となる。
・次世代製品の企画、開発の意思決定を行う際の指針を得られる。
・消費者に科学的な情報を提供し、コミュニケーションの促進が図られる。
といったメリットが得られることが期待される。
一方、消費者にとっては、例えば
客観的な評価に基づく環境負荷情報を入手することにより、より環境負荷の少ない
製品を選択することで環境負荷の低減に貢献することが可能となる。
選択的な購買を行うことで、生産者の環境配慮を促すことが可能となる。
等のメリットが期待される。