2012年12月3日

2日の事故の翌日にNHKクローズアップ現代の番組で取上げられていた。
NHK記者が事故に遭遇して生還していたことからその証言も組み込まれて番組としてタイムリーと思いながら見た。

その中で専門家として出演した早稲田大学濱田教授の発言に「想定外」という言葉がでてきて驚かされた。
聞き間違いかと思ったがそうではない。
教授は昨年の震災、原発事故以降も土木工学の専門家として地震によって「東京湾の臨海コンビナートが危ない」と警鐘を鳴らしたりしておりたびたびTVメディアに登場している。
昨年の震災と原発事故以降は禁句(死語)とも言えるこの言葉であるが口を滑らしてしまったのかもしれない。

当方の持論(下記のモノゴトの3本柱)は常にトレードオフの関係にありそのバランスが重要になる。
①ハード(インフラ・設備・システム)
②ソフト(ハードの運用・活用のプロセジャー&しくみ)
③ひと(利用者:消費者&ハード・ソフトの運用者)
今回のトンネルの天井板崩落事故は②即ち、ハードを造った後のフォロー(保全・保守)の欠落(手抜き?)が事故原因と現時点で推定されている。

「花の建設、涙の保全(保守)」とよく言われるがこのたとえで言えばトンネル天井板はまさに「花」にあたる①であり、天井板の点検は「涙」に相当する②と言え、これまでの日本の産業界の企業風土・文化に深く染み付いている悪癖と言える。

減速、縮小が避けられない成熟社会に向いつつあるこれからは【 花の保全(保守)、涙の建設 】を志向すべき時と言え、そのようなターニングポイントに発生した象徴的な事故と言えないだろうか?