武田鉄矢が著書「西の窓辺へお行きなさい」を出したのを話題にした「降りてゆく生き方」というタイトルの記事を地方紙に見つけた。
五木寛之の「下山の時代」という著書にも見られるように3.11以降に少しづつではあるが今の日本の声高な成長戦略の中で対極にある生き方に関する書籍が多くなった気がする。
成熟社会(縮小社会)に入っている国々(ヨーロッパの一部に代表される)の例を見るたびにこの地球という限られた資源との共生という視点で論議をこの日本でも始められる環境はいつ整うのだろうかと思う。
資源が限られているという中で多くの国が成長を進めると行きつくところは「パイの奪い合い」に至るのは目に見えている。
紙面の中で武田氏はいま巷に流行る「終活」を「辞世の歌の現代版」と評しつつまた次のように書いているのが印象に残る。
「幕末の志士や戦国時代の武将も死に際の歌を残しています。そういう老いとの向か
い合い方がきちんとできる人たちが、後ろ姿で希望を語り得るんです。」
縮小社会の中では成長を続けるという欲を追い求めず「身の丈に合った生き方を志向する」という流れが本流になるためにこのような考え方も着眼する必要があると思う。