最近STAP細胞の報道が過熱している。
当然先のネイチャーでの発表の時とはメディアの扱いは手のひらを返すような扱いで、そして、小保方氏が所属する理研の対応も組織の一番悪い点が露呈されていると思う。
不服申し立てにも記載されていたようだが「トカゲのシッポ切り」は一般の市民感覚と言える。
当の細胞の有無は専門家と時間に任せるとしてメディアと組織(理研)のありように触れてみたい。
1.メディアの対応
メディアも様々であるので一括して言うことは難しいが今回の問題が生じる背景やその原因、国の一流(?)の研究機関の組織としての「リスクマネジメント」のお粗末さに言及していないことが残念。
理研のトップはノーベル賞受賞者の野依氏であるためにその組織の問題として取上げるのが難しいのだろうか?遠慮しているのか?原発事故直後の報道のコントロールがされているのではと勘繰ってしまう。
2.組織(理研)の対応
かつて(2011.04.20)当コラムの「原発事故のメディア報道について」の中の参考事例として野依氏の発言を次のように取上げたことを思い出した。
・・・かつて、事業仕分けがメディアを賑わした折に、科学領域の仕分けに顔を揃えて「歴史という法廷の場に立つ覚悟があるのか」と反対発言をしたノーベル賞受賞の科学たちがいましたが・・・
この対応ような現状にどのような意見を持っている一度聞いてみたいと思ってしまう。
技術領域であり科学研究とは違うのでノーコメントといった答が帰ってきそうな気がするが・・・。
今回は理研の調査委員会(理研の関係者が多数?)の報告をTVや新聞などで見聞きすると組織防衛のシナリオが見え見えである。
そして、その点を指摘するメディアが皆無に近いことに「またか!やはり・・・」という驚きと怒りを覚えてしまう。
「リスクマネジメント」については国会でのiPS細胞の山中氏の次のような発言の記事が今のこの国の研究機関の課題を浮き彫りにしている。
・・・山中教授は危機管理マネジメントについて、自身のiPS細胞の研究を例に上げ、「若手研究者の自由な発想がイノベーションには必要」としながらも、「わたしもそうでありましたが、30代の研究者というのは、実験の方法は上手だが、それ以外の点についてはまだまだ未熟な人間であります」と指摘。先端研究の現場には、シニア研究者が若手研究者を教育できるシステムなどの、管理人材の必要性を強調した。・・・