中井貴一が甲斐よしひろと出演した番組(Eテレ「SWITCHインタビュー達人達」)を録画で見た。 3月27日の放映だが心に残った中井の言葉とその意味するところへの感慨を記してみる。
♪ 「自分は“じゃない”方へ行く」:
中井が「正統派俳優」と呼ばれることへの本音を甲斐に打ち明けていた。
成蹊大の学生だった1981年に映画「連合艦隊」でデビューし俳優人生40年が過ぎた中井。しばしば人に中井が“正統派”の俳優と言われることに対して自分では「正統派ではないと思っている」と言い、世の中の流れや流行の方へは行かず「自分は“じゃない”方へ行く」と話していたのが印象的。
因みにNHKの人気番組「サラメシ」のナレーションはハイテンションの話し方をしているが、これは「(普通のように話さず)ずらしてやっている。基本にあるものまで削ってしまったら、単なるだらしないものになる」。あくまでも「正統」という基本をベースに、そこから派生した「ずらし」であるということを強調していた。
そして、俳優としての究極のスタイル「(セリフを)棒読みでも感情が通じるのが終着点」と述べていたのが印象的で、「いろいろなことができるけれど、やらない、使わないになってみたい」と話していた。
♪ 着崩しについての中井の発言から(妙に得心したが・・・結構難しいと思う):
「着崩し」は楽にする方法なんですけど、きちっとした着方を知ってるから着崩しになる。単に楽にするだけならだらしなくなるっていうのが自分の中にあって。きちっと着る方法を自分の中で定義として持とうというのは持っているんです。
世の中の流れに乗っている人たちに安心感を覚えるんですけど、僕はそれが昔から好きじゃなくて、“じゃない”方にいる。それがサラメシのナレーションとか、結構ずらしてく。最初にもらった原稿よりもずらしてく。残さなきゃいけないもの、ここを削ったらだらしなくなるみたいなことは避けよう。
参考までに10年前の本HPのコラムで中井のTBSの「サワコの朝」の番組で中井が語ったことに触れているので参考までに次に記す。
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2021.06.30 TBSのTV番組「サワコの朝」で思ったこと
最近土曜の朝のこの時間帯にこの番組を見ることが多い。
土曜の朝の一仕事を終えたばかりの頭にちょうど良いのかも知れない。この日のゲストは俳優の中井貴一だった。
有名な父を持った苦労などよく耳にする話はさておき、次のような話が頭に残った。
*俳優(例えば男優)の真骨頂は【助演男優賞】
*主役は助演の人から「主役」にしてもらうもの
*主役が高いギャラを貰うのは主役だからではない。関係者(スタッフ、助演者、照明・・・)が持ちよく仕事が出来るように(例えば健康管理にまで)気配りするのが主役の役目であるためにギャラが高い。
*「最近仕事で頑張っていますね」というサワコ女史の問いに対する彼の答え:3.11以降に自分に何ができるかと考えた時の「答え」として、“自分が生業で一所懸命働きその結果としての税金をたくさん納めそれが廻るようにすることも自分のできることだ”
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