原発災害の終息のシナリオが見えない中、6日(水)午前の記者会見で政府は「年間被
ばく限度の引き上げ検討」を発言したようだ(下記~~~部の要旨参照)。
これまでも同様の気配が垣間見られていましたので「やはり」という印象を拭えない。
本来取るべきことは
【 必要になる避難退避に向けたスキームや受け入れ態勢準備など 】
にこそ注力すべきところなのに、それらが出来ない時のための「予防線」を張った措
(あるいは出来ないから「匙を投げた」)と言われても仕方が無いアクションと思える。
この検討は国際基準の遵守を止めることにつながり、実施した場合はこれからの食料、
産業をはじめとした経済活動に大きなリスクを背負うことになりかねないことが危惧さ
れる。また、このアクションは問題解決の基本から外れているとも言え、このような一
次しのぎの対策はボディーブローのように後々に効いて来る。
私たちは、先の「自主避難」という無責任とも言える施策同様、政府に期待することな
く自ら(最低限としては大事な家族)を自分で守る必要に迫られているのかもしれませ
ん。このようなアクションまで含めて為政者に【 付託 】したのではない!と言いたい
ところだ。
<時事通信 4月6日(水)12時21分配信から転記>
枝野幸男官房長官は6日午前の記者会見で、福島第1原発の放射能漏れ事故を受け、
年間1ミリシーベルトとしている住民の被ばく限度量について「現在の基準値は短期
間で大量の放射線を受ける場合の安全性を示している。放射性物質を長期間受けるリ
スクを管理し、別の次元の安全性を確保する上でどのくらいが退避の基準になるか検
討している状況だ」と述べ、引き上げを検討していることを明らかにした。
事故の収束までなお時間がかかり、放射線の放出が長期間続くことを想定した対応。
屋内退避指示が出ている第1原発から20~30キロ圏の外側でも、大気中の放射線量
の積算値が10ミリシーベルトを超えた地域がある。このため、原発事故の長期化を
前提に、健康に影響が及ばない範囲で被ばく限度の基準を緩める必要があると判断し
た。
昼時のTV番組(TV朝日)スクランブルに、先に紹介した(※)専門家武田邦彦教
授(専門家の領域では異端を自任している)が出演しており少々驚いた。
※:武田邦彦教授のコラム(原発) http://takedanet.com/
メディアもようやく報道のスタンスのありように気付き始めているのかもしれない。